12月の料理教室覚書き 一年の終わりに

今年も残すところ後僅か。12月のお料理教室を終えてホッとするのもつかの間、クリスマス本番に、お節料理の準備に、と12月後半もキッチンは大忙しです。

それでもお料理教室の一年を無事に全て終えて感謝の気持ちで一杯!いらして下さった皆さま、見守って下さった皆さま本当に有難うございました。後半、大きな怪我が二回も続いて大ピンチの時も、何とお休みする事なく平常でいられたことには自分でも驚きましたがきっと何かに守られているのかな、と感じています。そういえば去年は胸の怪我もあった、これで3回、3度目の正直でもう怪我はなし。これから気をつけるように、という事なのでしょう。実際年齢には逆らえませんしこれからはゆっくり注意深く、をいつも心に刻んで皆さまにご心配をかけないようにしよう、というのが今年の総括です 笑   家の中には危険がいっぱい!

それでは今年のクリスマス料理の教室の覚え書きを。今年も美しいクリスマスカラーのお料理とテーブルをコーディネートする事で素敵なクリスマスの食卓になるように努力しました。私の事ですので時々あら、とズッコケてしまう事もありましたが明るく笑い飛ばして下さった方々に感謝。

今年のクリスマスの献立は、昆布だしを隠し味に使ったサーモンとクリームチーズのムース、サーモンピンクのムースにディルとピンクペッパーでお化粧してクリスマスらしい前菜になりました。もう一つの前菜は帆立貝と梨のクリスマスリース仕立て、綺麗な色の大根のマリネを花びらのように丸く飾った上に薄く切った帆立貝柱をぐるっと並べて梨と新玉ねぎのドレッシングをかけます。自家製の(すごく美味しくできた)カラスミをたっぷりすりおろしてふりかけフワッとセルフィーユでデコレーション。とても華やかに美味しく出来上がりました。メインはやはりローストチキンで今年のフィリングはもち麦、スーパーフードにポルチーニとガーリックの風味をたっぷりと吸わせクルミでカリッとした食感を加えてギッシリと鶏のお腹に詰めてジューシーにでも外側はパリッと焼き上げました。しっとりと柔らかく焼き上がって今年も大人気でした。付け合わせはお洒落なケールチップス。彩りも素敵でパリパリと美味しいのです。サラダはビーツ、人参、りんごをさっぱりと和え真っ赤に染まったサラダをクリスマスツリーのように盛りつけます。デザートはりんごをたっぷり使いレーズン、クルミもギッシリと詰め込んでシナモンなどのスパイスでクリスマスらしく仕上げたアップルケーキ。ホイップクリームを掛けただけのシンプルな仕上げがむしろクリスマスらしくて、我が家の昔からの味楽しんでいただきました。

いよいよ今年も暮れてまいります。1年間本当にお世話になりました。心からの感謝を込めて、新しいお年が良きものとなるようにお祈りいたします。

 

 

11月の料理教室覚え書き

11月は感謝祭の季節、サンクスギビングをテーマにしたお料理教室が終わりました。後半はサンクスギビングを過ぎてなおお教室が続くという… 内容はクリスマスにも使える温かなお料理で収穫の季節を楽しんでみました。 メニューは 名残の栗のポタージュ、フレッシュな卵をたっぷり使いアボカドと一緒に手作りのマヨネーズで和えたエッグサラダ、リンゴをたっぷり詰めた豚肉のポットロースト、付け合わせの人参グラッセとジャガイモとゴボウのピュレ、デザートはかぼちゃのプリンでした。今回は使用するスープストックは全て昆布だしを使い野菜の味を引き出す美味しい技を駆使してみました。優しい味が大好評。

教室が終わって既に師走、まもなくクリスマスのクラスが始まります。まさに走っているような気分ですが気持ちを切り替えて素敵なクリスマスの食卓をご紹介できるように頑張りたいと思います。

10月の料理教室覚え書き

10月の料理教室も無事終わりました。前半には息子の結納という大仕事があり嬉しいやら忙しいやらの日々でしたが料理教室は粛々と、楽しい時を過ごすことができました。いらして下さいました方々、どうもありがとうございました。

今月はトルコ料理のご紹介。アラブから地中海にかけての歴史の流れが凝縮したような食文化を持つトルコの料理はバラエティに富み、さすが世界三大料理の一つと称されるだけのものがあります。野菜がたっぷり、スパイスを多く使いながらも刺激的ではなく全体的に優しい味わいのものが多く日本人の口にもよく合うお料理の数々。

今回は誰もが大好きなロールキャベツを中心の献立にしました。焼き茄子をニンニクとオリーブオイル、レモンで調味したサラダ、キュウリと爽やかな水切りヨーグルトのサラダなどタップリのお野菜料理にトルコといえば思い出される肉の串焼き、ケバブを豪華にラインアップ。デザートは季節の果物、梨とイチジク、ザクロの実を蜂蜜とレモンでマリネしたマセドニア。教室では歴史にも思い馳せ古のトルコ帝国を思いつつ彼の地の味を再現してみました。

9月の料理教室覚え書き

10月も早終わり、出遅れてしまったのですが忘れない内に9月の料理教室の覚え書きです。酷く暑かった今年の夏はいつまでも続いてしまうのでは、と思ってしまいましたが台風、地震と災害が立て続けに起こる内にいつの間にか一足飛びに季節が進んでしまいました。そんな合間に9月のお料理教室は無事に全て終えることができました。

9月の教室は中華料理。あちらこちら転勤する間に覚え、何度も作る内に自分のレシピになったものばかりです。これさえお出ししておけば、という安心のレシピばかりをご紹介しました。季節の変わり目に身体に優しく栄養のあるものを召し上がっていただきたいという気持ちも込めてのお献立。

先ずは濃い鶏のダシを生かした生キクラゲと卵のスープ。優しい味に心が和みます。次にあっという間に作れる大根餅。大根と桜海老をたっぷり使い卵焼き用フライパンを使い簡単に四角く焼き上げます。周りはカリッと、中はモチモチで大根の甘みが活きました。次の品はお刺身サラダ。もうかれこれ40年も作り続けているレシピ。レタスやキュウリなどパリッとした食感の野菜にハマチやブリなどの刺身をのせてパリパリの揚げワンタン、ローストしたナッツなどをトッピングしてからドレッシングで和えていただきます。必ずあっという間になくなる爽やかな一品です。メインはプルーンをタップリ使ったバルサミコ酢風味の酢豚。プルーンのフルーティな風味が豚肉とよく合います。デザートには季節の梨を梨のリキュール効かせたゼリーに閉じ込めてさっぱりと。全ておもてなしにも使えながら普段の食卓にも気軽に使えるレシピだったと思います。

8月の料理教室覚え書き マグレブ料理

8月はサマーキャンプでの料理クラスで始まりその後はひたすら暑さとの戦いでした。本当に経験したことのない暑さに諸々生産力が削がれましたがそれでもそれでも今月も楽しんでいただける料理教室にするために頑張って中々素敵な北アフリカ料理のメニューが出来上がりました。

今月は北アフリカのMaghrebと呼ばれるモロッコ、アルジェリア、チュニジア辺りのお料理をご紹介。以前から大好きだったチュニジアのブリック、という揚げ物はツナとジャガイモを炒めてクミンやハーブを加えて香り高く仕上げたフィリングに生卵を割り込みブリックペイストリーという薄い薄い春巻きの皮のようなもので包んでカラッと揚げたもの。ナイフを入れるとトロッと半熟卵が流れ出てなんとも言えぬ美味しさです。唐辛子にレモンやオリーブ油、ニンニク、様々なスパイスを加えてペースト状にしたHarissaという薬味を添えて大好評の一品になりました。我が家自慢のフムスも添えてそれだけでも栄養たっぷり。サラダはトマトとキュウリにレモンとクミンを効かせたモロッコ風のもの。こちらも爽やかで夏にピッタリでした。メインはスイスで出会ったアルジェリア人の友人の美味しいレシピをご紹介。クスクスに添えるシチューはチキンとタップリの野菜のシンプルなものですが生姜とシナモンを効かせるというお友達のアドバイスで試行錯誤して美味しく仕上げました。大振りに切った野菜に優しくスパイスが染み込んで夏バテで弱った胃腸にも優しく元気の出る一皿です。そしてデザートはバクラヴァ。アラブ地域、トルコ、ギリシャ始め地中海地域ではおなじみのバクラヴァ、日本人にはちょっとベタベタで頭が痛くなるほど甘くて、と不評なことが多いのですが今回のものはカダイフ、という鳥の巣のようなペイストリーを使ってアーモンドとオリーブオイルで軽く軽く焼き上げ、仕上げには最近ハマっているハンガリー、トカイ地方のとても美味しい蜂蜜とレモンを混ぜたシロップをたっぷりかけて落ち着かせます。軽い食感に芳しい蜂蜜とレモンの軽い酸味でいくらでもいただけるようなデザート。水切りしたヨーグルトを添えてアラビアっぽく、旬のパッションフルーツやイチジクを添えてお出ししました。

今回使った蜂蜜、先日ぐるなびのippinのサイトでもご紹介しています。昨年ハンガリーを訪ねた際に出会った美味しい逸品。今回のようにお菓子の仕上げに、またヨーグルトや果物などに添えると最高です。

食材の組み合わせを考える事も楽しいクラスの献立作り。9月も夏の疲れを残さない元気の出るラインアップを考えたいと思います。

6月の料理教室の覚え書き

梅雨がいつまで続くかと身構えて過ごしていましたらあっという間に明けての猛暑。身体もビックリ体調を崩す方も多い季節ですからそんな時にピッタリなスパイスたっぷりのスリランカ料理は正にタイムリーでした。

この季節、身体が芯からスッキリするようなカレーをはじめとするスリランカの料理はさすがアーユルヴェーダの国のもの。デトックス効果も高く代謝も上げてくれるスパイス使い、タンパク質やビタミン、ミネラル類もバランスよく取れる、夏にはオススメのメニューです。家で働いてくれていたスリランカ人コックさん直伝のお料理の数々、中には私風にかなり変えてしまったものもありますが日本人の口には合って辛すぎず食べやすい物ばかりで大好評でした。

今回ご紹介したのは コリアンダーとミント、クミンの風味のサラダ、ゆで卵を芯にしたツナとジャガイモのコロッケ、レンズ豆のカレー(パリップ) 鯖のカレー、ココナッツのふりかけ(ボルサンボル)、ココナッツミルクと黒糖のプリン(ワタラッパン)の6種。テーブルはインド製の綿のクロスとリネン類にピューターの器などを合わせてエキゾチックでも爽やかな食卓にしてみました。

5月の料理教室覚え書き

緑濃くなる美しい季節にお届けしたのはケイジャン料理。アメリカ南部ルイジアナ州辺りの料理をアレンジしてみました。

ケイジャン料理とはフランスやスペインの影響にアフリカやカリブのテイストが加わって洗練され、発達して来た料理。前からずっと大好きでガンボやジャンバラヤなどを作って来たのですが長年作るうちに重いところを取り去ってさっぱりお野菜も沢山取れるような私風のレシピが出来上がりました。ストック代わりに昆布だしを使ったチキンガンボスープ、真っ赤な色が美しい海老とチョリソー入りのジャンバラヤ、色とりどりのコールスローを添えて。デザートは南部っぽいコブラーですが今旬の美味しい真っ赤な無農薬ルバーブが手に入りましたのでそれを使ってお洒落なコブラーになりました。スパイシーなケイジャンスパイスミックスは中東やインドの物とはまた違ってヨーロッパの香り、その香りをたっぷり纏ったお料理の数々でした。

テーブルはブルーベースのテーブルクロスにイギリスのロイヤルウェディングに因んでロイヤルブルーのリネンを合わせてテーブル花はグリーンベースでまとめたワイルドフラワー中心の組み合わせにしました。爽やかな5月にふさわしいテーブルを心がけたつもりです。

いよいよ梅雨入りも間近、季節の変わり目に体調も崩れがちですがビタミンカラーのスパイシーなお料理で是非元気をつけていただきたいと思います。

 

3月のお料理教室覚え書き

3月も残り少なくなりました。東京の桜は早満開を過ぎ。こんなに早い満開の桜は覚えがなく、今年の季節の歩みはいつもに増して早足で、気付けばもう夏、という事になるかもしれません。3月もお料理教室は無事に全て終了しました。今月はイタリア料理、昨年訪ねたトスカーナで得たレシピや昔からの我が家の定番を組み合わせた使い勝手の良いメニューで皆さまのお家でも定番になりますようにと心を込めてお届けしました。真っ赤なビーツと甘く柔らかな新玉ねぎのサラダ、焼きたてホームメイドフォッカチャ、ルッコラとクルミで作ったペーストで和えたショートパスタ、大きなマッシュルームにアンチョビやハーブを詰めて焼いたもの、レモンとローズマリー、ニンニク、オリーブオイルなどでマリネした豚ロース肉のグリル、そしてトスカーナ風のティラミスの全6品を作りました。春らしいミモザの黄色と水色のテーブルコーディネートでイースター近付くこの季節を味わっていただけたかと思います。

お教室を終えて今は夫の実家のある北海道の旭川に来ています。東京よりはずっと寒いものの旭川もいつもよりは春の訪れが早そうです。こちらでの滞在が少し長くなりそうで4月の料理教室の目処が立っていませんが出来るだけ早くご案内を出しますので改めてチェックしていただけましたら幸いです。

2月のお料理教室覚書き

2月のお料理教室はメキシコ料理をお届けしました。ピリッと辛く爽やかなメキシコのお料理が大好きです。何故かどこの任地でもメキシコの方と親しくなって美味しい家庭料理を紹介していただく事も多く懐かしい思い出も沢山。今回は長年欲しかったトルティーヤを作る道具を購入した事もありトルティーヤ作りからご紹介。我が家の定番、皆様から評判の良いサルサとワカモレ、マグロとアボカドのセビーチェ、トルティーヤで鶏肉を包みソースとチーズを掛けて焼いたエンチラーダ、デザートにはアロスコンレチェ、シナモン香るクリーミーなライスプディングにしました。皆んなでトルティーヤ作りながら和気藹々のお教室が楽しくて寒い時期にもホッコリな時間になったと思います。

三越本店、はじまりのカフェでの料理教室

一月は飛ぶように過ぎて早二月。

一月に行なった三越でのお料理教室、私にとっては自宅スタジオを飛び出す新たな挑戦でした。登録させていただいているサロネーゼカフェさんからオファーをいただいて是非!と張り切ったものの、直後に夫の父が倒れ介護の現実に直面したり、年明け早々インフルエンザに罹り本番当日まで中々体力が戻らなかったり、当日は何十年ぶりの大雪の予想、と様々なハードルを乗り越えてのお仕事になりました。

長く住んで覚えた懐かしいクゥエート料理をご紹介しようとあまり日本では知られていないスパイスの魅力や使い方を切り口に、美味しく皆さまに親しんでいただけるように心を配りました。当日のアシスタントには娘の里紗が入ってくれて、舞い上がりそうになる私のテンションにも臨機応変に応えてくれたことは嬉しい驚き。大雪の予報にも拘らず申し込んで下さった方全員のご出席いただき、温かく見守っていただき、皆様のお陰で温かい気に溢れる良い場になった事には感謝の言葉もありません。チャンスを下さった皆さま、実現するために助けて下さった皆さまに心からありがとう!

一年の初めにこんなに素敵な機会をいただいた事に感謝して今年も臆せず前に向かって進もうと決意を新たにしています。この気持ち、忘れないように覚え書き。これからもどうぞよろしくお願いいたします。